13.ブエノスアイレス(二階建てバス、カミニート、コロン劇場)

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11月4日、今日はまず二階建てバスに乗ってブエノスの街を眺めながらカミニートに出かけることにした。

ブエノス市内の交通機関はスブテという地下鉄(乗車するにはSUBEというカードが必要)、コレクティーボという路線バスとタクシーがある。タクシーはメーター制で安心して乗れるし、驚くほど安いので今回の移動手段はタクシーをメインにすることにした。黒い車体に黄色い屋根のタクシーが至るところにいるので探すのに苦労しない。タクシーをひろう時は、手を横に水平に延ばして止める。何台か乗ってみると愛想が良くて感じのいいタクシーには、助手席の背もたれにドライバーのプロフィールらしきものが必ずぶらさがってた。もしかしたらこれが会社と契約しているラジオタクシー(無線タクシー)かも。途中からはなるべくそのタクシーを選んだんだけど、走ってる車だと当然見えない。あとは運次第だね(^_^;)

因みに地下鉄スブテは1913年開業。日本の最も古い地下鉄銀座線のモデルとなったそうだ。残念ながら今回見ることはできなかったが、今では丸ノ内線の旧車両がブエノスを走っているとか。

 

Buenos Aires Bus」が運行している二階建てバスは乗り降り自由で市内の主要観光地を巡ってくれる。24時間または48時間乗り放題チケットがある。ネットでも購入できるが、今回は現地で24時間用を990ペソ(約3,000円)で購入するつもり。高いんだけど、安全と効率をお金で買うと思って…チケットオフィスは5月広場の側らしい。

Buenos Aires Bus
https://www.buenosairesbus.com/

ホテルからチケットオフィスまで15分程歩く。

休日のため裏通りに人は殆どいない。後で聞いたことだが、こんな時はちょっと危ないらしい。そんなこととは露とも知らず、暢気なポコ&タクは「お洒落な街並みだなぁ、南米のパリって本当だなぁ」とスマホ片手に写真を撮りながら歩いていった(^_^;)
クラシカルな建物と斬新で近代的な建物が混在していて、見て歩くだけでも興味深い。

ここがチケットオフィス。

ご覧の通りそんなに客はいないのに待たされること待たされること。「お願いですから、ちゃっちゃとてきぱき働いてください」
と日本人のおばちゃんはついつい思っちゃうんだよねぇ(^_^;)

でも窓口の対応は優しくて感じが良かったので全てOK!!
クレジットカードで支払可能。

オフィスのすぐ前のバス停から乗車。二階席の一番前をゲット!

Buenos Aires busのルート地図

全部回ると3時間半もかかるので、全体の1/3の青ルートのみに乗車することにした。
カミニートに行くために01AV.DE MAYO(赤丸)から08LA BOCA CAMINITO(緑丸)、帰りは08(緑丸)から12GALERIAS PACIFICO(青丸)まで乗った。

渡されたイヤホンで日本語ガイドを聴きながら出発。

気分爽快なのは最初の内だけ。街の風景がよく見えてとってもいいんだけど、日差しは強いし風も受けるし、干物になりそうだった。

さあ、出発!
国会議事堂
7月9日通りの一部分
世界最大幅140m。歩行者は青信号になっても一度に渡りきれない。

エビータがビルの側面に。
お洒落~♥

信号機もお洒落~♥

ボカ地区に入ると急にカラフル
因みに黄色い壁の建物は、サッカーのボカジュニアーズのスタジアム

カミニート到着!

このボカ地区はあまり治安が良くないらしい。メインストリートは観光客でいっぱいだから大丈夫だが、横道には脚を踏み入れないようにしないとね。

1950年頃、荒んだこの地区を綺麗に整備しようと、キンケラ・マルティンという画家や地元の人々が家々をカラフルに塗り始めた。今では明るい人気の観光地になっている。

ここはタンゴ発祥の地。

カミニートは古い港町で、ヨーロッパからの、多くはイタリアからの移民がまず足を踏み入れた場所。彼らは貧しく、仕事もない中で暇を持て余して生まれたのがタンゴ。元々はそんな男達が男同士や娼婦と踊るものだったそうだ。
観光客向けだが、街中の至る所でタンゴを踊っている。


街に入った途端、後ろからあれよあれよと被せられるタク…(ペルーでも似たようなことがあったなぁ)衣装と写真撮影で10ドル

それなら
10ドル分楽しもうぜ!

なりきりタク♥

タクの写真を撮っていたらポコも衣装を被せられ・・・

あっという間に宙に浮かんだ、びっくりポコ!


あらぁ、写真に写ってる置きっ放しの荷物、よく盗られなかったなぁ。アブナイアブナイ(^_^;)

面白かった~~~

でもその後

憮然タク・・・

あれほど片言の日本語を話しかける輩には注意をしろと言われていたのに、片言日本語で話しかけられて、ついついタンゴショーを見ながら食事出来るところに入ってしまった。楽しみにしていた名物チョリパンもそこそこの味。歌を歌ったおばさんにチップを要求され、ダンサーにもチップを要求され、最後に支払の時870ペソをチップ込みで1,000ペソと言われ、なんだか後味の悪いランチだった。カモカモハポネスだったんだろうね(>o<)

再び二階建てバスに乗ってホテル近くのフロリダ通りに買い物に行くことにする。
往きのバスの二階があまりに暑かったので一階に座ってみたが、景色が殆ど見えないので、途中からやはり二階座席に移動。

気分を一掃してくれるような青空
昨夜食事をしたプエルトマデーロ地区を眺めながら

サンマルティン広場近くのバス停で降りて、そのままフロリダ通りのショッピングセンター「Galeria Pacifico」へ。

お目当ては洗濯が間に合わなくて足りなくなったタクの靴下とポコのショーツ。

フロリダ通りに入ると、「カンビオ、カンビオ~(両替)」と声があちこちから聞こえてくる。闇両替屋さんたちだ。偽札を掴まされる恐れがあるので素通りするに限る。

天井画が素晴らしい。

高級ショッピングセンターと言うだけあって、ブランドショップが立ち並び、お値段もなかなかのもの。


ディスプレイされている下着は華々しいものばかり。「いちばんシンプルなのをください」と言ったら、ほんとにベージュの何の飾り気もないショーツを出してくれた。「sloggi」って書いてる。日本でも確かトリンプが販売してたな、と思い購入。ところが、後ではいてみたら、これがかなりのハイレグ南米仕様!背に腹は替えられないので使いましたよ、もちろん(^_^;)

普通のお店ではアルゼンチンペソで支払うことが多いので、ショッピングセンターの地下にある両替所でこの時持っていたドルをアルゼンチンペソに両替しようと行列に並ぶが、なかなか進まない。やっと順番が来たと思ったら50ドルと100ドル紙幣しか交換してもらえない。窓口のお兄さん、のんびりのんびり手続きした挙げ句この機械では読み取れないから隣に行ってくれと言い出す始末(>o<) 文句を言いたいところだが、言える程の語学力もなく…(泣)

道端に物乞いらしき親子は見かけたものの、至って普通の明るく活気ある街の光景がそこにあった。お店には物があふれ、食べ物も潤沢で、入国する前に聞いていた経済危機の雰囲気は微塵もない。人々も落ち着いていて暴動の気配は全く感じられない。為替では1/10になっていたが、実際は1/3くらいの感覚だ。兄弟がブエノスに住んでいるというポコのスペイン語のR先生が「大丈夫、全く問題ないよ」と言ってたのが本当だったんだ。何度も訪れる経済危機に市民も慣れっこになってて多少のことでは慌てないのかもね。ネット情報は便利で役立つが、時に誇張された情報も含まれることを念頭に置いとかないといけないようだ。

一旦ホテルに戻って身支度。コロン劇場に行くこの日のために持ってきた洋服に着替える。ポコはワンピース、タクはジャケット着用。そんなに頑張らなくてもちょっと綺麗めな服装なら大丈夫そう。パルコ(Palco)という6人用のバルコニー席は早い者順なので、一番前の席に座るために早めに劇場に向かう。現地でSさん夫妻と待ち合わせ。

コロン劇場は世界三大劇場のひとつ。パリのオペラ座、ミラノのスカラ座、そしてブエノスのコロン劇場が世界三大劇場と呼ばれている。完成は1908年という。日本の明治末、日露戦争が終わってまもなくといった頃。と考えると更に歴史の重みを感じる。1908年の日本の日常風景を採り上げた面白い記事があったので、興味のある方はご覧あれ。同時期の日本とアルゼンチン、この違いに唖然、呆然、ただ笑うしかない。

外国人写真家が見た1908年(明治41年)の日本の街角の日常風景
https://buzzap.jp/news/20160509-arnold-genthe-1908-japan/


コロン劇場の入口を入った瞬間貴族の仲間入りをしたような気分になる程、豪華で優雅な雰囲気だ。

これがパルコ。
フランス映画でマリーアントワネットみたいな貴婦人が羽の扇子でパタパタ仰ぎながら座ってる、あの席!

大理石がふんだんに使われてて、どこもかしこも豪華絢爛。しかも荘厳。

細部まで美しかった。

昼間に所要時間50分の劇場見学ツアーも開催されているらしい。今回は参加しなかったが、それも興味深かっただろうな。

天井画とシャンデリア。
シャンデリアは吊り下げではなく、珍しい埋め込み式。

1部が終わった幕間にパチリ。

会場から出てコーヒーを飲み、しばし休憩。

スペイン語の字幕をSさんに要約してもらって、ここで初めてオペラの内容を理解できた!あ~、ちゃんと勉強してくれば良かった(^_^;)

肝心の今宵の演目はオペラ「La Estacion(四季)」(ハイドン作)。無粋なポコはオペラというからにはてっきり歌劇かと思ってたらオラトリオというものだった。椅子に腰掛けた3人が代わりばんこに立って歌うの。多分ドイツ語?舞台の右上にスペイン語の字幕は出てるけど、ちんぷんかんぷん(>o<) パルコの一番前に座れたものの、前半は意識朦朧、我慢して我慢して我慢したんだけど…思いっきり船をこいでたんだろうなぁ(^_^;) こんな日本人が一番前に陣取って、ごめんなさーい。後半は歌自体が華やかになったのとカフェインのお陰か、意識は比較的しっかりしてたよん。傍目からはなんとも失礼なオペラ鑑賞だったかもしれないが、ミーハーポコ的には雰囲気を味わえ、また音の響きを感じることができた素晴らしい夜だったのは間違いない。

黄金色にライトアップされたコロン劇場

コロン劇場では別のパルコに座っていたSさん夫妻と合流し、すき焼きとしゃぶしゃぶのお店「日本橋」に案内してもらった。

まず驚いたのは、お店のドアに鍵がかかっていたこと。訪問を告げると鍵を開けて中に通してくれる。お店では日本語ペラペラな着物を着た現地のお姉さん達がお世話してくれる。まるで日本にいるみたい。私たちはしゃぶしゃぶをいただくことにした。アルゼンチン牛は薄切り肉も美味しかった。そして白菜、椎茸が体に染みわたる~。きっと100%ではないタクのお腹にも優しいはず。Sさん夫人Nさんの心遣いがホント有り難い。

Sさんの車でホテルまで送ってもらい、今宵も爆睡…だろうなぁ(笑)
明日はレコレータ墓地、アテネオ、タンゴショー、そしてショッピングへ。

おやすみなさーい。

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