7.リマ~マチュピチュ村へ 移動日 

←6.なんとなくナスカ
 8.マチュピチュ遺跡 ~オリャンタイタンボへ→

10月28日、6時半起床。今日はいよいよマチュピチュに行く日。まずリマ空港からクスコ空港に飛ぶ。クスコ空港からタクシーでオリャンタイタンボに行き、ペルーレイルでマチュピチュ村に入る旅程。今回の旅でいちばん不安だった高山病。体を徐々に慣らすために標高の高いクスコは素通りして初日はマチュピチュ村に宿泊することにした。睡眠中の酸素不足も高山病発症の大きな要因となるらしいので、クスコではなく、オリャンタイタンボ泊にした。
2000m(マチュピチュ村)→2400m(マチュピチュ遺跡)→2800m(オリャンタイタンボ)→3400m(クスコ)
8時にチェックアウト。またここに戻ってくるのでスーツケースをホテルに預かってもらう。ペルーレイルはひとり当たり3辺の合計157㎝以下5㎏までの荷物1個しか持ち込めないの。だから、機内持ち込み用の鞄だけ持って行くことにした。でもペルーレイルに乗るときに荷物チェックはなかったから、あまり大きな荷物でなければ問題なさそう。

ホテルでタクシーを呼んでもらう。料金は後でホテルで精算するので便利で安心。でも革張りシートのレクサスが来たから値段もそれなりだろうな、と小市民はちょっとびびる。でも、安全第一!「安全は買えるものならお金で買え」とブラジルに赴任していたタクのお兄さんの言葉を思い出して己を納得させる。

日曜日なので渋滞もなく9時に空港に到着。この2日間は頼みのTさんはいなくて、ポコ&タクの二人旅。さてさてどんな旅になるのやら。空港にいる人たちがやたら怪しげに見えるのよねぇ。

日本に帰国後、リマ空港の麻薬取締り捜査の一部始終がテレビで放映されてた。ちょうどこんな犬たちが活躍してた。妙にリアルに感じる。

チェックイン後、トラベルセンターで虫除け、虫刺されの薬を買う。季節的にまだ虫はそんなにいない気もするが、念のため用意する。マチュピチュで虫に刺されるとピュッて血が噴き出して真っ赤に腫れるらしい。日本の薬じゃ効かないよとTさん。
「Repelente para zancudos y mosquitos」(虫除け)
「Crema para picaduras de zancudos y mosquitos」(虫刺され)
を勧めてくれた。幸い虫刺されの薬を使うことはなかったが、虫除けスプレーはいかにも効きそーな強烈な臭い。

左が虫除け
右が虫刺されの薬


搭乗時間まで空港内のカフェで軽食。タクはお腹にいいと言われたパパイヤジュース、ポコはしっかり牛肉のエンパナーダを注文。このエンパナーダがすこぶる美味!
そして大事な高山病の薬(Sorojchi Pills)をポコだけ服用。タクは高血圧の薬を常用しているので飲めない。自力で頑張るしかないタク。せめてもと高山病予防にコカキャンディーを買う。

気休めかもしれないけど…
味は悪くない。
一応コカだから、日本には持ち込めないよ!

南米ではフライトの遅延やキャンセルが多いと聞いていたので、少しでもそのリスクを減らすために、信用度の高いLATAM航空でクスコまで1時間の旅。座席はジェットスター並に狭く、「これなら一番前の席を取れば良かった、次の教訓だな」とタク。「わー、また来れるんだ!!!」と密かにほくそ笑むポコ。右側の席から見る景色がいいというネット情報があったので、右の窓側の席を予約したが、左側ではどうだったのか実際はわからない。右側の席から充分に景色を楽しめたので、次回は右側一番前の席で予約しようね、タク!

この上を飛んでクスコへ
こんな所にも集落が…

クスコ空港到着。兎にも角にも高山病が怖いので、ゆっくりゆっくり歩く。「ご自由にどうぞ」と通路にコカの葉っぱが置いてある。3枚もらって口に含む。できることはみーんなやるぞ!

インフォーメーションでオフィシャルタクシーはどこか?と聞くと、「ない」「外に出てタクシードライバーと交渉して」と。オリャンタイタンボまでの料金は大体いくらくらいか?と聞くと、お姉さん何故かニヤッと笑って「120~180ソレス」。何だろうこのニヤッは?頑張りなさいねーってことかも。だって建物の外に出たら柵の向こうから沢山のおじさんたちがワーワー叫んでる。胸にぶら下げてるカードを掲げて「タクシー、タクシー、オフィシャル、オフィシャル」って。一瞬ひるんだけど、その中のひとりとスペイン語で交渉開始。200ソレスの提示を150ソレスまで値切って交渉成立。「よしっ!」と満足げなポコだったけど、あとで皆さんのブログを見ると100ソレスくらいが多かったから、ボラレた…かも?(泣)

おじさんのバンに乗って市街地へ。ペルーレイルの出発時刻が15時37分。30分前の15時7分までにオリャンタイタンボに着かねばならない。2時間かかるとして、結構ギリギリか?空港を出発して10分位したところでおじさんの車が街中で突然停まる。そこに赤いスポーツカーが1台。”TOYOTA Yaris” こっちに乗り換えろって。「彼は飛ばし屋だから大丈夫、間に合うよ。彼にお金は払わなくていいから大丈夫」って。浅黒い肌にサングラスのお兄さんがドライバー。おじさんと違って彼はスペイン語しか話せない。ちょっと不安はあったけど、もう乗り込むしかない。

お兄さんは携帯でボソボソと低い声で誰かと連絡とってる。Yarisはどんどん細い路地裏に入ってく。一体どこへ連れて行かれるのか…「日本人2人をこれから連れて行くぞ。」「もうすぐ着くから待ってろ。」って喋ってるように聞こえるんだよね、これが。妄想で頭がクラクラ。ポコとタクは日本語で会話しても相手にはわからないはずなのに、何故か無言で顔を見合わせる。ポコは100ドル紙幣を左右一枚ずつ靴底にコソコソと隠し始め覚悟を決めた。なにかあってもこれで生き延びようと。後で聞いたところ、タクはタクで頭の中で襲われたときのシュミレーションをしてたらしい。
路地裏を抜けて幹線道路に出たときは、大きな安堵のため息。後で考えたら、時間がない私たちののためにショートカットしてくれたんだね。でもね、生きた心地しなかったよー。
ほっとしたのもつかの間。それからがまた違う意味で生きた心地しなかったよー。もの凄いスピードでクラクションならしながらビュンビュン抜いてくYaris。このお兄さん、相当なドライビングテクニックの持ち主だってタクが言ってた。


壮大な風景を抜けると観光客向けの土産物屋の前でYarisは停まった。「無料で写真も撮れるよ。ちょっとだけなら寄れるよ。」と言ってたと思う。なんせエスパニョールピヨピヨポコなんですもの(^_^;)折角なので寄ってみることに。色とりどりのポンチョやタペストリーなどが並んでて、現地の民族衣装を着た女性たちが中を案内してくれた。

特に買いたい物はないなぁと思いながら立ってたら、後ろからあれよあれよと被せられて、気づくとこのいでたちに。

妙になじんでるタク(笑)
福の神の笑顔。スマホの厄除け待ち受けにした友人も現る!

5分ほどでまたYarisに乗り込み、猛スピードで駆け抜けていく。

オリャンタイタンボの駅を目の前にしてなんと通行止め!迂回したがまさかの大渋滞。このままじゃ列車に遅れる~。そこでお兄さん、ビュンとUターンして駅の裏手に車を停める。ここで降りろと荷物を出し始める。目の前というか目の上に線路が。まさか…そう、まさかだった。お兄さん、ポコの荷物を片手にポコの手を引いてその坂を上り始めた。登ったあとは線路をダッシュ。タクは自分の荷物は自分で運び、自力で登り走る。女性に優しいんだなぁ、この国は。間に合った~!!お兄さん、なんていい奴なんだ!なんていい仕事してくれたんだ!疑ってごめんなさーい。お金は全く払わなくていいと言われてたけど、10ソレスのチップを渡して笑顔でバイバイ。

向こうの方からこの線路を走ってきた(^_^;)
マチュピチュ往きビスタドーム


向かい合わせの4人席。

が、これが後にイングリッシュシャワーの楽しい拷問タイムを生むことに…ポコ&タクの前に座ったのは、アメリカオハイオからクルーズツアーで来た上品な老夫婦、スーザン&ライアン。スーザンはフレンドリーにいっぱい話しかけてきてくれた。撮った写真を送るからとアドレス交換したり、ライアンが日本に来た時の話とか…とっても楽しかったんだけど、疲れた体のポコ&タクの頭はイングリッシュシャワーに飽和状態。お得意の爆睡!もできず、体も頭も疲労困憊(^_^;)

誤解なきよう。スーザン達はとてもいい人なの。ポコ&タクの英語力が拙かっただけなの(泣)

軽食付き。ランチョンマットがペルーチック。

ウルバンバ川を眺めながら列車は進む。ジャングルのような密林の間も縫って走る。かなりの急流、しかも濁流で荒々しさを感じる流れ。

約1時間半の列車の旅を終え、マチュピチュ村到着!
改札出口にホテルの人が名前を書いたボードを持って立ってた。事前にメールでペルーレイルの到着時刻を連絡しておいたの。これまで使った交通機関は全く遅延もないし、メール1本で今日もちゃんとお迎えに来てくれてるし、アバウトな南米のイメージが覆されてく。

マチュピチュ駅をでたとこ。
夕方5時過ぎ。

ホテルは駅から歩いて数分の「Hatun Inti Boutique Machupicchu」(ハトゥン インティ ブティック マチュピチュ)
ここが思ってた以上に居心地のいいホテルだったの。部屋もよかったし、従業員の人たちもみんな親切で優しかった。お勧めです!(1泊約20,000円/1部屋)

ハトゥン インティ ブティック マチュピチュ

窓の直ぐ下にウルバンバ川が流れてて、窓を開けると川のせせらぎが聞こえる。

ジャグジー付きお風呂。
どうも温泉らしく、体がぽかぽか。

まず、明日のマチュピチュ遺跡に行くバスのチケットを買いに出かける。さすが観光地、案内板もしっかりあってチケット売り場まで迷わずに行ける。カードで支払OK。その後街中を散策。6時半を過ぎると日も暮れてすっかり夜景色。街中は明るく人も多いので、夜でも安心して出歩ける。街はタクによると鬼怒川温泉や熱海温泉のような雰囲気だそうだ。

初代マチュピチュ村村長は
「野内与吉」さんという日本人だった!
線路際に立ち並ぶお店やホテル

日本なら逮捕されるよね(笑)

日本の昔の温泉街みたい

まだまだ続くタクのドンデスタエルバニョ。水分補給のためにアクエリアスを買ってホテルへ。アクエリアスが赤や黄色でカラフルなのには驚いた。リンゴ味とオレンジ味を試しに買ってみる。ポコ&タクはりんご派。

今夜は日本から持ってきた即席雑炊にする。お守り代わりのはずだった雑炊がここで活躍の場を与えられることになろうとは。
優しい味にほっこり。どうか明日は治ってますように。

明朝3時半起床なので9時には就寝。
明日は長年夢見てきたマチュピチュ遺跡へ
おやすみなさーい。

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