15. お伽の国のエスタンシア Vella Maria(ビジャマリア)その1

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11月6日、今日からブエノス郊外にあるエスタンシアに2泊。12時にエスタンシアからホテルに迎えに来てもらうよう事前に依頼してある。と偉そうに書いているが、実はR先生がスペイン語メールでお願いしてくれてたの(^_^;)

そもそもエスタンシアの事を教えてくれたのもR先生。エスタンシアとはパンパと呼ばれる大草原にある宿泊できる農場のこと。アサード(バーベキュー)や乗馬を楽しめる。観光客のためにガウチョ(カーボーイ)がショーを行ったりする施設もあるらしい。でも、今回ポコ&タクが選んだのは、昔の富豪が建てた別荘で、ショーもなくゆったりと過ごせるエスタンシア「Villa Maria(ビジャマリア)」。ブエノスから車で1時間ちょっとのところにある。3日後にエルカラファテに行く為にそのまま向かうエセイサ空港にも30分という抜群のロケーションにある。

約束の正午までしばらく時間があるので、朝食を食べにサンマルティン広場付近に歩いていく。1時間ほど歩くもなかなか決まらず、結局フロリダ通り沿いのカフェに入ることにした。

クロワッサンみたいなのがアルゼンチン定番のメディアルナ。クロワッサンのようにパリパリしてなくて、ちょっと甘めの三日月型バターロールって感じかな。

ここ南米に来てから全てお約束の定刻時間で物事が進んできたので、もうハラハラドキドキはしなくなってたけど、若干の不安は持ちながらロビーでお迎えの車を待つ。12時ジャスト!ビジャマリアからのお迎えの車が来た~!喜ばしいことなんだけど、なんだかホントに肩透かしの南米タイム。

車中で「お昼ご飯はどうする?」と聞かれて「お腹がいっぱだからいらない。」という会話の中で、お昼ご飯「Almuerzo」のポコの発音が悪いらしく、何度も何度も反復練習させられた(^_^;)
10回くらいでやっと合格。ふ~。寡黙なドライバーさんがにっこりOKしてくれた時は、ほんと嬉しかったよ。

1時間ほど走るとビジャマリアの入り口が見えた。ゲートがあって管理人らしき人が出入りをチェックしてる。パスポートもチェックされたよ。

ところが、ここからが長い。パンパの草原を延々と走り続け、もう着くかもう着くかという場面が続き、15分位経ったころにようやく館本体に到着。どうやら館の裏口から入ったみたいで、ネットで見た美しい建物と違い、ただの古びた館としか思えなくてちょっとがっかりするポコ&タク。

部屋に案内されるが、狭い部屋にベッドが一つ。バスルームも、う~ん…ここは昔の使用人部屋じゃなかろうか…というくらいシンプルな部屋だった。そこで、料金によってはアップグレードしてもらおうということになった。

ランチは食べないのかとまた聞かれた。ディナーのお肉を期待してたので、それに備えてランチはいや発音練習した「Almuerzo」はいらないと言うと、怪訝そうな顔をされた。後でわかったのだが、アサード(バーベキュー)は昼だけで夜は普通の食事だったみたい。ここまで来てアサードを断る変わった日本人だと思ったんだろうね。もっとスペイン語勉強しなくちゃね(^_^;)

それにしてもこのビジャマリアでの過ごし方は事前情報もなく、実際現地に来ても何も書いてなくて何もわからない。どうしたらいいのか途方に暮れるポコ&タク。取り敢えず館の中や周りを見て回ることにした。
歴史を感じる重厚な設えの数々。でも誰もいない…

リビング
食堂
遊技場
庭へ出てみると…
じゃ~ん!

これ、これだよ!
庭に出て初めて分かった!
思い描いてたビジャマリア!!!

そうだ、確か馬車に乗れるって書いてたよね。フロントというか管理人室には誰もいないので、裏の方に回ってみたらやっと女の人に出会えたので馬車と部屋のアップグレードを頼んでみる。馬車はすぐにOK。部屋のアップグレードは後でマルセロから返事すると。マルセロって誰???まあ、とにかく馬車に乗せてもらうことにした。一回ごとに料金が発生するのかと思っていたけど、そうじゃないみたい。何度でも好きなだけ乗っていいらしい。

ガウチョのおじさんと森の小道へ

ここでもまた発音練習(^_^;)
馬車「Carrauje」を何度も繰り返し言わされ、はたと気づく。唇をしっかり動かして発音しないとダメみたい。

昼食「Almuerzo」の時もそう。口先だけで発音してもOKしてもらえない。なんとかガウチョのおじさんにOKをもらう。ガウチョの笑顔が優しいの。

その後、乗馬にも挑戦。

ポコには手厚く、手取り足取り馬に乗せてくれて、馬の手綱も引いてくれるガウチョ。
タクは勝手に乗ってついてこいと放置され、

あれよあれよと置いてけぼり(笑)
ガウチョのおじさんは振り向いて大笑い。でも、笑ってるだけ。あはは、助けにはいかない。

タクはお馬さんに完全になめられて、全く言うことを聞いてくれなかったらしいの。その昔、足でグイっとわき腹を締めるといいと聞きかじったことを思い出してやってみたら、やっと動き出してくれたって。
これまたザ・南米!女性には優しく、男性は放置な出来事!

最後はちゃんとリードしてくれたね。

建物のあちこちに素敵な飾りが
主は猫がすきだったのかな?

ここで出会った犬くん。
めちゃめちゃ穏やかで人懐っこいの。

ここの飼い犬ではないらしい。でも庭にいるみたい。この後もポコ&タクが庭に出ると必ずどこからともなくしっぽふりふり現れるの。いろんな名前を持ってるそうなので、勝手に「タロウ」と呼ぶことにした。「タロー」って言うとちゃんと来るんだよ、この子。

部屋に戻ると、マルセロがやって来た。どうやらビジャマリアの支配人のようだ。快く部屋のアップグレードを了承してくれた。しかも無償で!!!!
それがこの部屋。2リビングルーム、1ベッドルーム、1バスルーム、2バルコニーのゴージャスなお部屋♥
やっぱり何でも言ってみるもんだとここでも確信。言わなきゃ何も始まらないんだね。

マルセロだけは英語が話せる。片言ながら、スペイン語よりはうんとましな英語で会話してやっとここでの過ごし方がわかった。ここでは一切チップはいらない。友人の別荘に遊びに来たように過ごせばいいらしい。好きな時に好きな場所で食事や飲み物を食べたり飲んだりできる。可能な限り要望に応えてくれるようだ。
今日、明日の宿泊者はポコ&タクだけだとか。なんと、このお屋敷が貸し切り状態だって!!!

そしてそう、ここで初めてアサードは昼食だけだったと知ることに…(泣)

気を取り直して夕食を食べに食堂に行く。
誰もいない食堂に座ってるとマルセロが来てサーブしてくれた。彼がここで働くようになった経緯や家族の事、日本の城が大好きなことなどしばし会話を楽しみながら食事をとる。

食後、マルセロの素晴らしいお手本を真似てチャレンジ!
すると突然…

真っ暗闇に!!!!!!

人里離れた古びたお屋敷で突然の停電。明かりが点いたときに人がひとりいなくなり…これって探偵コナンによくあるシチュエーションだよ~。
しばらくすると、明かりが点きマルセロが「よくあることなんだよ。」と笑いながら戻ってきた。人生の終焉の地はアルゼンチンか、とまたもや妄想劇場に行ってしまっていたポコだったのだ(^_^;)

その後、マルセロに案内されて、外からの館を眺める。
この明かりが全部消えたんだよ。漆黒の闇だよ~。

部屋に戻ると、窓の外にある雨戸のような物が全て閉まっていて、テーブルの上にはピッチャーに入った水と可愛らしいお花を生けた花瓶が置いてあった。

心憎い気遣いにほっこりしたところで
おやすみなさーい。
明日もビジャマリアを楽しもう!

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